新年明けましておめでとうございます。
市民の皆様方には日頃から井原市民病院の運営につき格別のご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
昨年は金環日食、東京スカイツリーの開業、ロンドンオリンピックでの過去最多のメダル獲得、iPS細胞での山中教授のノーベル医学・生理学賞受賞と世の中の沈滞ムードを吹き飛ばすような明るい出来事に明日の活力をもらいました。
当院での出来事を振り返ってみますと、
1月:歯科衛生士による口腔ケアを開始。福山市民病院 循環器内科からの診療援助を開始。県境を越えた公的病院の人的連携として意義深く、患者の利便性も向上しました。
4月:平成23年度の決算が7年ぶりにわずかですが黒字となりました。
5月:駐車場整備工事を実施し、37台分を増加。
6月:岡山大学病院から初期研修医1名を1か月間迎えました。病院内に新しい爽やかな風が吹きました。365日リハビリテーションと訪問看護センター「まいづる」の業務を開始。糖尿病看護認定看護師が誕生。
7月:岡本放射線主任技師が東京電力福島第一原発敷地内診療所で放射線量測定業務を行いました。
11月:高松で開催された第51回全国自治体病院学会で7演題を発表。第2回井原市民病院健康祭りを600名の参加を得て開催。「自然な死(尊厳死)を迎えたい方へ」と題して、黒瀬事業管理実践者から特別講演をいただきました。また救急隊・救急車にも参加をいただき、白衣とナースキャップを付けた子供たちが救急車内でV字サインを両手に大喜びで記念撮影を行うなど、有意義な催しとなりました。
昨年の当院のスローガンは「医療の標準化」と「断らない病院」でした。医療の標準化と質の向上は地域から信頼されるために欠かせませんし、救急医療の充実は地域住民にとっては何事にも代えがたい安心の源です。断らない医療と良質な医療の実践は、地域で生き残るうえで必須不可欠であり、引き続き、さらなる向上を目指していこうと思います。
さて、今年は「チーム医療の推進」をスローガンにし、より質的に高い医療の推進と信頼を得られる病院づくりを行いたいと思います。すでに院内を越えて活躍している栄養サポート(NST)チームに加えて、呼吸リハ・在宅酸素チーム、糖尿病指導管理チーム、感染対策(ICT)チーム、緩和ケアチームなどの充実を図りたいと考えています。これらのチーム医療は、多職種が関与して行うことは勿論のことですが、常勤医が少ない中にあっては、栄養士、看護師などがリーダーとなって推進していきたいと思います。ドクターを引っ張っていける活動を期待しています。さらに、院内を越えて目を向け、地域を巻き込んで活動し、地域住民の健康意識と健康度を少しでも高めることができるように、医師会の先生方にとっても役立つように、工夫を凝らしていきたいと思っています。今年は巳の年、新しいステージに向かって脱皮しようと思います。
今年が皆様方にとって良き年でありますように祈念致しますとともに、引き続き地域に密着した、より愛される病院を目指しますので、皆様方の一層のご支援・ご協力・ご指導をいただきますようにお願い申し上げます。
井原市立井原市民病院
院長 山田 信行