
このたび井原市の病院事業管理者になりました齋藤信也と申します。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
最初に、簡単に自己紹介をさせてください。私は、1977年(昭和52年)に岡山県立井原高等学校を卒業しました。そうです。市民病院の隣の学校です。在学当時は、サッカーのボールを追いかけて、グランドの端まで来ると、市民病院の建物がすぐそこにあったことを思い出します。その後地元の岡山大学医学部に進み、1983年(昭和58年)に卒業しました。そのまま第一外科(一般消化器外科)に入局し、約20年間外科医として、仕事をしました。その後は縁あって、臨床というよりも、教育、もっと端的に言えば看護師さんを中心とするコメディカルの養成教育に関わってきました。一方で大学教授として研究も行う必要があり、そちらは医療管理・病院管理の分野で、研究を進めてまいりました。その成果の一つとして、2022年(令和4年)に第60回の日本医療・病院管理学会学術総会の会長を務めたことが、今回井原市に招いていただいたことにつながったのではないかと考えています。
2024年(令和6年)3月に岡山大学を定年退職となり、その後このお仕事をいただきました。ありがたいことと思っています。
さて、これを読まれている多くの方が、「病院事業管理者」とは何だろうかと疑問に感じておられると思います。ご存じの方には釈迦に説法ですが、井原市が行う病院事業、分かりやすく言えば井原市民病院の経営について管理者を置いて、それを公営企業法の下に委ねるということだと理解しています。このように記していて、本当に私のような浅学非才な者に務まるのかと心配になってきますが、一方でその責任の重さに身の引き締まる思いです。
病院運営の根幹は院長先生にかかっています。事業管理者の初仕事として、幸いにも前田徹也先生というすばらしい先生に院長を引き受けていただくことができました。前田院長先生ご自身のご挨拶の中で、触れられるかもしれませんが、先生は長年地域の病院で丁寧かつ患者さんに優しい医療を実践してこられた方で、井原市民病院にとってこれ以上ふさわしい先生はいらっしゃいません。これはこの挨拶の中で最も強調しておきたいことです。
これまでは、合地明先生が、院長と病院事業管理者を兼ねておられ、強いリーダーシップのもとに病院を経営してこられました。強打者でありかつまた監督のような合地先生のお仕事を、前田院長と私の二人で引き継いでいくことになります。是非職員の皆さまには、前田院長のもとで一丸となって、患者さんに愛され、信頼される病院づくりにご協力いただければ幸いに存じます。私の仕事はそれを縁の下で支えることだと考えています。今後とも何とぞよろしくお願い申し上げます。
2024年(令和6年)4月
病院事業管理者 齋藤 信也